Amazonで売っている格安androidタブレットを購入する際の注意点

2024年7月15日

最近Amazonで格安タブレットが沢山売られているが

一昔前には考えられなかったことですが、2万円程度でそこそこ実用的なandroidタブレットが購入できる時代になったようです。表面上は非常に良いスペックで、レビューの評価も高いものが多いですが、なんだか信用していいものなのか半信半疑ですよね。そこで格安タブレットとはどのようなものなのか、あるいはハイエンドタブレットとはどのようなものなのかを明らかにして、購入時の納得感を向上させましょう

記載されている主なスペックやベンチマークテストでは使い心地や品質は分かりません!

私は昔Googleから鳴り物入りで発売されたNexus9という9インチのタブレットを購入したことがありました。当時としてはスペックが非常に高く、ベンチマークテストの結果も良好だったのを覚えています。しかしこのタブレット、蓋を開けてみればもっさりした動作で使い物にならず、何度もアップデートが降ってきましたが、動作の遅さは結局改善されませんでした。さらに発売してしばらく経ってから、液晶に気泡が入るという欠陥が続々と報告される事態となりました。Nexus9の後、Pixel Cという大型のタブレットが開発されましたが、世界展開には至らず、Googleのタブレット開発はしばらく沈黙することとなります。

ですから、スペック表に載っている点やベンチマークスコアだけでは実際にいいタブレットかどうかはわからないのです。

格安タブレットはスペック表に載らないところをやっぱりケチっている

私は高価なタブレットSAMSUNG Galaxy Tab S9と、廉価だけどまあまあ使えるタブレットHeadwolf HPad5を持っていますので、両者を比較して、重箱の隅をつついていきましょう

画面は綺麗か

格安タブレットで有機ELを搭載することはまずありませんが、液晶は綺麗なのでしょうか。格安タブレットの液晶の色味を購入前に確認するすべはありません。格安タブレットでは青みがかったやや暗い古臭い液晶を搭載しているものが多く、またdpiもかなり低いことが多いです(が解像度は目立たないところに書いてあります)。

あなたはタブレットで何がしたいのですか?廉価タブレットでは基本的にペンは使えませんからノートを取ったりお絵描きをしたりするわけじゃないですよね。ゲームを低スペックの端末でやろうとする人も少ないでしょう。タブレットで写真を撮りたいという人もそう多くはありません。そうすると映像コンテンツの消費がメインになってくるわけですよね?つまり廉価タブレットの本質はただのでかい画面なんです。画面は大事ですよ!

左がGalaxy Tab S9、右がHPad5です。クソみたいなiPhone15proのカメラで撮った写真だとGalaxyのHDR対応の有機ELが赤く見えますが、実際にはHPadの液晶がかなり青白く違和感があります

密度はGalaxyが340dpiに対し、HPadは240dpiです。まあ密度に関しては240dpiでもそれほど違和感はありませんけれども、高画質で映画を見たいなら総合的にちょっと物足りないかもしれない

セキュリティレベルはどちらもL1です。セキュリティレベルがL1に満たないと、動画ストリーミングサービスの最高画質で映画を鑑賞することはできません。数年前の格安タブレットはこの点を隠して販売していましたが、L1非対応だと低画質でしか見られないことが広く知れ渡ったことにより、最近は逆にL1対応であることを全面に押し出して販売しているものが多いです。

HPad5のAmazon販売ページのサムネイルではL1の表記が大々的になされている

もう一つご注目いただきたいのがベゼルの太さです。Galaxyの方がややベゼルが細いのがお分かりいただけると思います。でもHPadも十分に細いですけれどね。問題なのがですね….

細っ!嘘やん!

商品ページの画像のベゼルが本来の幅よりもずっと細いんですよ。詐欺です。Amazonで売っている中華タブレットはみんなこういうことをやっているので買ってみたらなんか違うということになりかねません。それを黙認しているAmazonも問題です。気をつけましょう。

あとRAMが16GBの表記になっていますが、実際には8GBで、仮想メモリが8GBまで設定できるという意味です。紛らわしい。

照度センサーはついているか

センサー、スペック表に載ってますか?ほとんど載ってませんね。ハイエンドタブレットやミドルレンジのスマートフォンでは当たり前のように搭載されているセンサーが格安タブレットには搭載されていないことが多々あります。

アプリを入れてチェックしてみましょう。

Galaxy

まずはGalaxy。29のセンサーが搭載されていることが分かります。

一方HPad

HPad

搭載されているセンサーは5つです。ジャイロスコープなどゲームや地図で使われる重要なセンサーも搭載されていないことが分かります。

ゲームやナビは使わないって?でも、照度センサーもないので、自動調光ができません。昼間は暗いし夜間は眩しすぎるので手動で一々画面輝度を調整してやる必要があり、かなり面倒臭いです。普通のスマホなら当たり前になっている機能なだけに、当たり前に搭載されているものだと思い込んでしまうところです。画面は大事ですよ!

バイブレーションは搭載しているか

これはなくてもいいんじゃないかという人もいそうですが、文字入力の振動フィードバックや通知のバイブレーションなどもありませんのでちょっと物足りない気分になることでしょう。

格安タブレットでは搭載しないものが多いです。まあ高価なタブレット、最新の無印iPad(10世代)もバイブレーションはありませんがね。これもスペック表に載りにくいところだと思います。

androidのアップデートはあるか

普通、格安タブレットは最新のandroidを搭載する代わりに、アップデートは提供しません。高価なタブレットであれば数世代のアップデートが受けられることが多いです。

ちなみに最初の画像を思い出していただきたいのですが、

どちらもandroid14なのですが、HPadはタスクバーを搭載していません。この辺はゴリゴリにカスタマイズされたandroidを使いたいか、素に近いandroidを使いたいかという問題もあるので一概に良し悪しの判断はできませんが。

タッチパネルの反応は良好か

微々たる差ではありますが、高価なタブレットに比べると反応がいまいちです。タッチしたけどな?ってことが稀にあります。それにHPadは60hz駆動なので、普段ヌルサクの120hz駆動のスマホをいじっていると違和感があるでしょう。まあ、高価なタブレット、最新の無印iPad(10世代)も60hz駆動ですけどね。大事なことなので何度も言いますが画面は大事ですよ!

あとマルチタッチですが、

HPad

HPadは3点まで

Galaxy

Galaxyは当然のごとく10点です。

充電保護機能はあるか

高価なタブレットでは電池の寿命を伸ばすため、満充電にしない設定ができることが多いですが、ほぼ素のandroidを載せている格安タブレットはそのような機能を持ちません。まあこれはオペレーティング・システムたるandroidの怠慢とも言えますが。iOSではつい最近になって、ようやく充電保護機能が搭載されましたね。Googleも大概だが、AppleはAppleでせこいんだよな

ダブルタップで画面オンあるいは画面オフになるか

格安タブレットでは画面をダブルタップしても画面がオンにならない場合が多いです。タブレットは大型で上下がわかりにくいので、電源ボタンの位置を毎回探るのは面倒なんですよね。

Wi-FiやBluetoothの性能は?

Galaxy

こちらGalaxy。最新規格6Eに対応しており、6GHz帯でも通信が可能です。またBluetoothも全ての項目に対応しています。

一方HPad

HPad

規格がわからない笑。まあ5GHzに対応しているので十分ではないでしょうか。6Eのルーターなんかまだ高くて手が出ないですから、Galaxyがオーバースペックであるとも言えますが、長く使えるとも言えるかもしれません。

おっとBluetoothはLEオーディオに非対応です。ケチですね。本体のスピーカーがしょぼい分、Bluetoothは高音質に対応していれば救いがあるのですが。

急速充電はできるか

まあ一応Headwolf20Wの充電を急速充電と豪語しておられますが、20Wは今どきそんなに早い方ではありません。タブレットはスマートフォンよりも大容量の電池を積むため、充電にそれなりに時間がかかりますので一つのポイントかなと思います。Galaxyは60Wで充電できますのでかなり快適です。なお60Wの小型充電器は5千円くらいしますのでお財布と相談です。

アクセサリーはあるか

ケースやキーボード、画面保護フィルムが欲しくなることもあると思いますが、格安タブレット用に用意されていることはまれです。

じゃあなんでお前、激安タブレット買ったんだよ?

中華タブレットには一つだけ気前のいいところがあります。それは安いのにLTEに対応していてSIMが入る機種が多いというところです。

HPad5もSIMが最大2枚入ります。私はdocomoですが、SIMトレーにSIMを入れて挿し込むだけで特別な設定は一切なくすぐに快適に4GLTEネットワークを使えます。

ハイエンドタブレットの代表格であるGalaxy Tabは技適を取るのが面倒なのか、売れないから売らないのか知りませんが、Wi-Fi版のみの販売となることが多く、5G版を買うにはauから出ているGalaxy Tab S9 FE+ 5Gを買うか、ETORENなどから海外版を割高で輸入するしかありません。その場合対応バンドの問題や技適の問題もあります。

私は宅配の仕事をしているので、業務で住宅地図の閲覧と配達先までのナビゲーションを使用したく、HPad5を車に固定して利用しているのです。

先ほどナビゲーションには向かないと書きましたが、配達ナビタイムを使う限りでは、大きな誤差は見られません。配達ナビタイムにはiPad版もあるのですが、開発チームがandroidと歩調を合わせずに作っているようで、android版の方が多機能で優れています。

業務に10万円以上する高価なタブレットを使うのは、破損のリスクもあり怖いので、ちょっと動作がもたつくけれど、雑に扱える廉価タブレットがちょうどいいのです。

格安タブレットは使用目的をはっきりさせて割り切って買おう

今回の記事では重箱のすみをつついて行きましたが、割り切れば非常にコスパに優れていますので、熟考のうえ購入をしてみてください。この記事により購入時の納得感が向上していれば幸いです。Amazonで買うときは、セールやらクーポンやらで割引を頻繁に行っていますので、Keepaでの価格の下調べを忘れず、高値で掴まないように!